083_一雫

ほんの二昔(かな?)くらい前までと今ではずいぶん情報の伝達を巡る社会のありようが変わった気がする。

自分の書いた文章は、到底、世に出ることなどないままの人生を送るものだと思っていた。

それが当たり前だと。

現在では、発信者の裾野が広がったお陰で、たとえ、内容が伴っていなくても(自分としては一生懸命なのだが)、約束事さえ守れば、こうしてネット上に、自らの作文の公開の機会を、基本的に無料で与えてもらえる。

ありがたいことだ。

自分は、約 2 年前 ( 2020 年 4 月 ) から ( おぶなより ) と題してブログを始めた初心者。

ブログを書こうと思った動機はいくつかあるが、自分の知りたかった情報が、書籍やネットで見つけることができなかったのも、その理由の 1 つ。

検索の仕方が下手だったのかもしれないが、見つからないことが多かった。

それならば自分で書けることを書き、試行錯誤をしながらでも書いていき、また、個人的な地に足のついた経験なども踏まえながら、ネットで見つけることができなかった個人的な体験談や考え方などの情報を記しておこうと考えた(実は、数年前、今般と同様にしてブログを書こうとして挫折、断念していたので、今回は仕切り直しのブログ)。

具体的に言うと、自分の体験は特異なものなのか、それとも、一般的なのか、似たような境遇の人はどのような体験をしているのか知りたくても、これといっためぼしい話を見つけることができなかったのである。

ほとんどなかったと言ってもいいくらい。

私は、事実を、とにかく実際にあった話を、似たような境遇の人の体験を知りたかった。

体験談とはいっても、人間のすることなので、多少の脚色や、自己弁護などの余分な夾雑物が、それなりに入り交じったものとなる可能性が高い。

最悪の場合には、すべてにわたっての創作、すなわち、捏造さえもあり得る。

しかし、それでも、女性の書いたような(?)フワフワした夢物語や希望論などのまるっきりの作り事よりは、はるかにマシだ。(*1)

いや、絶対に経験談(体験談)の方がいい。

だから、とにかく、私は経験者の体験談を知りたかった。

しかし、実際には、そうした自分と似たような境遇の人の体験談そのものと、そうした体験の中で真新しい内容は、ほんのわずかしか見つけることができなかった。

読んでいて、なるほど、これは体験者ならではの話だな、これなら納得できるな、へえーこんなこともあるのか、と思えるものが非常に少なかったのである。

ならば、わからなければ、わからないままに、自分の固有の体験にもとづく情報を、主としてこの ( おぶなより2 ) で出しておこうと考えて、書いたものがかなりある。(*2)

霊性についても、自分の知る限りでは、書籍もネットも、あまり系統立てて、わかりやすく解説したものが見当たらなかった。

もちろん、基本は五井先生(日本の宗教家五井昌久さん)の著作の内容から派生したもの(敷衍または拡大解釈などを含む)になっている。

なので、自分なりに霊性の理解をまとめ直し、できる限り平易に、誰にでもわかりやすく、自分なりに咀嚼した創作(=五井先生の霊性に関する著述の内容を、敷衍または拡大解釈・拡張解釈したもの)をも含めて書くようにしてきた。

だから、難しい用語の羅列や、もったいつけた表現や、理屈の展開は極力避けて、誰にでもスラスラと読める平易さを目指したつもり。

できる限り段落をわけて、ズラーッとした何十行にもわたる(?)長蛇の文字列も可能な限り避けて、段落の内容も、全体の見た目も簡潔にする。

読む人が、なるべく、引っかからず、スルスルと読み進められるように配慮したつもり。

そんな次第なので、読まれた方の中には、やさしくスラスラと読めて、高度で難解な読みごたえ(?)がまったくないので、物足りない、つまらない、と感じた人がいるかもしれない。

でも、それでいいの。

自分は気取るのは大嫌いだし、お洒落も大嫌いだから、これでちょうどいい。

ところで、動画のユーチューブも便利だよね。

以前は、テレビや雑誌を待って、やっと得られた情報以上のものが、広範囲に手早く得られるようになったのだから。

本人や当人同士の直の発信の情報ならば、曲がりなりにも一次情報になる訳だから、少なくとも他人の判断(や場合によっては思惑)という余分なフィルターは通さない分だけでも純度が高いことには違いがない。

それならば、あとはそれを元にして解釈すればいいことになるからね。

とは言うものの、ユーチューブも、本質的には既存のマスコミと通底したところがあるので、コマーシャルが入ったり、煩わしいところやそれなりの内容の制約はある。

いまだに唯物論が色濃く世の中を支配し、人々の霊性が開発し尽くされず、身の安全を第一に考慮せざるを得ない社会では、
「表舞台に立つもの(人と情報)」
には、力学的な意図や背景とともに、必ずそれなりの縛りがあるからだ。(*3)

とは言うものの、従来のマスコミの主流であったテレビや新聞や雑誌と比べると、即時性や随時性や多様性などをはじめとした情報収集の便利さは格段に向上したことは確かだ。

ただし、その内容は多岐にわたり、玉石混淆となっているので、内容の信憑性については各自で検討して、それなりに情報を吟味して選びとらなければならないが。

自分の固有の体験にもとづき書いてきた内容や、霊性の理解のために、試行錯誤を繰り返し、書き続けてきた内容が、広大無辺なネット情報という熱帯雨林の中の「一雫(ひとしずく)」になることができるように、もう少し努力を続けてみようと思っている。

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(*1)個人的な独断と偏見で言わせてもらえば、女性が書いた恋愛関連の記事は、ほとんどが想像や希望や願望を織り混ぜた、お花畑的なフワフワした夢物語的なものが多かった(ように感じた)。

読んでいて、あなたの希望や願望や類推はいらないんだよ、事実(=お相手の男性も含めた体験談)だけを書いてくれ、と何度も思わされたから。

いくら内容を取捨選択すればいいといっても、自分は面倒くさがりなので、あまりにも余分な内容が多いのは苦手なんでね。

(追記)
(お詫び)
恋愛に美しい夢物語を好まれる女性の方には申し訳ありませんが、私は目的(自分と似たような境遇の男性の体験談を知りたい)を持って実利一辺倒で読んでいて、ああいった夢物語に没入する恋愛センスをまったく持ち合わせていない、単なる一人の野暮な男です。
私の書いたことは、そんな一個人の主観にもとづくものにしか過ぎません。
なので、今回はいろいろとお気に障る表現もあったかとは思いますが、何卒ご容赦下さりますようお願い申し上げます。

(*2) 私が ( 005_読解 - おぶなより2 ) や ( 061_話02(モテと容姿談義) - おぶなより2 ) その他いくつかで書いてきたことは、1 つ(マミ先生も盲点であったと思われるやり方)を除いて、すべて自分の実体験を元に書いている。

想像や希望や願望ではない、個人的に経験した事実にもとづいている。

なので、かなりあると書いたけど、実際にはほとんどです。

まあ、そうは言っても、信じるか信じないかは、読まれた方のご判断に委ねるしかないけどね。

(*3)おわかりの方も多いと思うが、私がここで述べた縛りは、法令遵守(コンプライアンス)といった、物事の表層だけをなぞる浅い意味合いだけではなく、もっと深い意味合いまでをも含めている。

そうした縛り、制約を気にせずに、何事をも為しうる者がいるとすれば、それは、小柄な元祖魔人ブウのように、絶対的な力を持ち、天涯孤独(=つまり、何のしがらみも持たず、周囲に身の安全を脅かされる関係者が一人もいない)で、何者も恐れることがない、不死身な身体を持つ者しかいない。(*3ー1)

普通の肉体人間には、到底、無理筋な話。

そもそも、そんなに単純に正義(?)が実現できると考えること自体に無理がある。

その理由はすでに別途書いている。

だから、ここでは繰り返さない。

唯物論の恐怖支配に終止符を打つものがあるとすれば、それは、神性をおいて他にない。

私達が神性を取り戻すことしか。

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(*3ー1)自分が何かを思う存分行おうとする場合に、
「周囲に身の安全を脅かされる関係者が一人もいない」
が、今の世の中で、どれほど重要な意味をこと持つことになるのか。
それを考えれば、上記の文章の意味もご理解頂けると思います。

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・有り様~ありよう~①ありのまま。実情。
(用例)有り様を言えば。
②理想的なあり方。
(用例)政治の有り様を述べる。
③あるべきわけ。あるはず。
そんなうまい儲け話など有り様がない。
ここでは、①の意。

・裾野~すその~①山のふもとの、緩やかに傾斜して広がっている野原。
(用例)富士の裾野。
②(比喩的に)活動の及ぶ範囲などを言う。
(用例)俳句愛好家の裾野が広がる。
ここでは、②の意。

・夾雑~きょうざつ~余計なものが混じっていること。

・夾雑物~きょうざつぶつ~あるものの中に混じり込んでいる余計なもの。不純物。
(用例)夾雑物の混入。

・捏造~ねつぞう~実際にはないことを、あったかのように偽ってつくり上げること。でっち上げること。
(用例)データを捏造する。

・敷衍~ふえん~意味のわかりにくい所を、やさしく言い換えたり、言葉を加えたりして詳しく説明すること。
(用例)敷衍して説明を行う。

・咀嚼~そしゃく~①食物をよくかみ砕くこと。
②文章や物事の意味をよく考えて正しく理解し味わうこと。
(用例)原文を咀嚼する。
ここでは、②の意。

・羅列~られつ~ずらりと並ぶこと。また、ずらりと並べること。
(用例)文字の羅列に過ぎない。

・長蛇~ちょうだ~①長くて大きな蛇。
②蛇のように長く連なること。
(用例)長蛇の列。
ここでは、②の意。

・通低~つうてい~複数の思想や事柄が根底で共通部分を持っていること。
(用例)両者の作品に通低する主題。

・玉石~ぎょくせき~玉と石。また、玉のように価値のあるものと石のように価値のないもの。

・玉石混淆~ぎょくせきこんこう~価値のあるものと価値のないものが入り混じっていること。

・信憑~しんぴょう~信頼してよりどころとすること。確かであるとして頼ること。
(用例)信憑するに足る証拠。

・信憑性~しんぴょうせい~信用してあてにできる度合い。信頼度。
(用例)信憑性に欠ける。信憑性に乏しい。

・広大~こうだい~広くて大きいこと。また、そのさま。←→極小。
(用例)広大な湿原。

・広大無辺~こうだいむへん~広く大きくて、果てのないこと。
(用例)広大無辺の宇宙。

・没入~ぼつにゅう~①沈んで見えなくなること。
②一つのことに心を打ち込むこと。没頭。
(用例)事業に没入する。
ここでは、②の意。